競合調査のアップデート：大規模なデータベース、AI搭載のアルゴリズム、より正確な指標
より良いSEO戦略を推進するには、信頼できるデータとインサイトへのアクセスが必要です。SE Rankingでは、高品質なデータと皆様の信頼という2つの重要な要素を優先しています。そのため、競合調査ツールを大幅にアップグレードし、以下のような成果を上げています:
- 競合調査データベースに登録されるキーワードが2023年比で30%増加; ドイツ、スペイン、ブラジル、フランス、イタリア、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、オーストリア、スイスのデータセットを大幅に拡張しました。
- 計算式の更新とAIを搭載した新しいアルゴリズムにより、オーガニックトラフィックの予測精度が29%向上しました。
- Domain と Page Trust、被リンクと参照ドメイン数、キーワードの検索ボリュームと難易度を含む、より正確な指標を提供。
この記事では、SE Rankingの機能強化とSEOへの影響について説明します。まずは競合調査キーワードデータベースのアップデートから始めましょう。
主要マーケットにおけるキーワードデータベースの拡張
当社の膨大なキーワードデータベースは、競合調査ツールの中核をなすものです。当社の巨大なデータベースと強力なアルゴリズムを組み合わせることで、精度の面で卓越した競合インテリジェンスを実現するツールをご利用いただけます。
さらに、より幅広いキーワードに対応することで、よりターゲットを絞った最適化戦略をとることができます。ユーザーとの関連性が高く、検索意図やクエリに正確に対応したコンテンツを作成します。これは、優れたユーザーエンゲージメントと満足度につながるため、キーワードデータベースの拡張は私たちの重要な取り組みの1つとなっています。
ここでの努力は実りました！
過去1年間で、主要マーケットの競合調査データベースに3億5000万キーワードを追加しました。全体としてデータセットは30％増加し、2024年第1四半期に最も急速に増えました。 この四半期に注目した国は、ドイツ、スペイン、ブラジル、フランス、イタリア、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、オーストリア、スイスです。合計で1億9200万件の検索クエリをツールに追加しました。
データベースの拡張により、以下の国々で飛躍的な成長を遂げました:
- Germany: 39.7%
- Spain: 17.9%
- Brazil: 84.0%
- France: 45.7%
- Italy: 44.5%
- Australia: 84.2%
- Canada: 103.3%
- New Zealand: 129.8%
- Austria: 192.8%
- Switzerland: 100.1%
下のグラフでは、国別の新しいキーワードの総数を見ることができます。ハイライトされているのは、新しく追加された検索キーワードです:
このアップデートに先立ち、私たちの競合調査ツールのキーワードデータベースは、すでに市場にある他の類似ツールよりも大幅に大きくなっていました。今回の拡張により、その差はさらに広がりました。私たちの競合調査キーワードデータベースは、AhrefsのOrganic Search TrafficインデックスやSemrushのDomain Analyticsレポートのキーワードデータベースの約2倍の規模になりました。
オーガニックトラフィックのための新しい計算式とAI搭載アルゴリズム
SE Rankingでは、オーガニック・トラフィックとは、一定期間内にオーガニック検索結果を通じてウェブサイトが獲得したクリック数を指します。これは推定額ではあるものの、私たちの新しいアプローチにより、以前よりも正確なデータを得ることができるようになりました。
より正確なオーガニック・トラフィック情報を把握することで、SEO戦略の効果をより正確に測ることができます。これにより、改善すべき分野を特定し、予算を配分し、十分な情報に基づいた意思決定を行うことができます。
以前のオーガニックトラフィックの推定方式は、キーワード順位、月間検索ボリューム、CTRの分析に重点を置いていました。しかし、私たちは後者の2つを抽出する方法を改善し、トラフィック予測手順にAIを組み込みました。
検索ボリュームとCTRの計算処理を改善
これは、オーガニックトラフィックの機会を算出する上で検索ボリュームは最も重要な要素のひとつです。各キーワードの正確な検索ボリュームを加味することで、より現実的なトラフィック機会を見積もることができます。
検索ボリュームの算出を行うアルゴリズムに調整を加え、さらに季節性やキーワードの人気度などの要素を加えることで、Google広告のキーワードグループ分類（Google広告で複数の類似キーワードの検索ボリューム値がまとめて一括りで示される仕様）の解除処理がより正確になり、ここのキーワードボリュームがより正確に示されるようになります。以下のスクリーンショットをご覧ください。
テストしたキーワードはすべて検索ボリュームが異なります。ちなみに、Googleキーワードプランナーでは、同じこれらのキーワードが1つのクラスターにグループ化され、個々のキーワードではなく、クラスターの平均検索ボリューム範囲とともに示されます。
グループ化されたキーワードと検索ボリュームの範囲では、特定のキーワードの需要度合いを正確に判断するのは困難です。さらに、キーワード調査やオーガニックトラフィック推定値算出の精度にも影響してしまいます。
CTR算出に関して、以前はCTR要素のリストには、検索結果におけるウェブサイトのURLの順位のみが考慮されていました。SERPでの上位表示は通常、オーガニック・トラフィックの増加につながるからです。
CTR係数は現在以下の追加要素も考慮されています:
- SERP要素: 現代のSERPは、もはや従来の掲載結果の傾向を基準にはできません。これらのリンクには、強調スニペット、ナレッジグラフ、画像、動画セクションが含まれることが増え、従来の青色リンクが獲得していたクリックをすべて奪ってしまうこともあります。さらに、Googleは今後SGE（サーチ・ジェネレイティブ・エクスペリエンス）を導入することで、AIが生成するスニペットがSERPの大半を占めるようになり、状況はさらに大きく変わりつつあります。
- ブランドキーワード: 企業のブランドや名前に直接関連するキーワードで検索されたウェブサイトは、オーガニッククリックの大部分を占める傾向があります。
- ユーザーインテント（検索意図）: 私たちのニューラルネットワークモデルは、様々なキーワードのSERPを観察し、検索意図を特定するためにそれらが発する特徴を注意深く調べています。もしユーザーがSERP上であなたのページが適しているかもしれないと思わせる何か（適切なキーワードを含むタイトルと説明文、またはユーザーの意図に沿った特徴）を見つけた場合、クリックしてチェックする可能性が高くなり、あなたのCTRを後押しします。
重要!
オーガニックトラフィックの算出は、現在データベースに登録されているキーワードに大きく左右されることに留意してください。 特定のトピックやニッチな分野で限られたキーワードである場合、オーガニックトラフィックの予測が不完全または不正確になる可能性があります。 もしこのようなケースで予想が十分でないと判断された場合は、データベース拡張機能を使ってトピック固有のキーワードを追加することができます。追加後は、私たちがオーガニック・トラフィックを再計算し、翌月には分析したサイトと分野について、より正確なデータが得られます。
以上の要素に基づき、SE Rankingは、まず各ウェブサイトのURLの予測トラフィックを計算し、そのデータを集計してドメイン全体の予想オーガニック・トラフィックを算出します。 この蓄積されたアプローチにより、あらゆるウェブサイトが獲得する可能性のある月間検索トラフィックの推定値を把握することができます。
新しいアルゴリズムのAI要素に関する詳細
不変のものなど何一つありません。SE Rankingは、機械学習を活用することで、推定値の算出処理が絶えず変化する変数に対応できるよう、ダイナミックなものであり続けられるようにしています。
私たちの機械学習手法により、SERP要素、順位変動、検索意図などの変動パラメータを分析することで、より正確にCTRを算出することができます。これらの要素が変化すると、計算も変わります。
私たちのアルゴリズムは、継続的にこれらの変化を記録、把握、学習し、皆様のオーガニックトラフィックの推定値が最新かつ信頼できる状態を保てるようにしています。
では、オーガニックトラフィックのデータの精度はどの程度向上したのでしょうか？
アルゴリズムの導入後、私たちはテストを行い、古い計算式で生成されたデータと、新しい計算方法で生成されたデータ、そしてGoogle Search Console（以下GSC）からの情報を比較しました。
カスタマーサービスソフトウェアの分野を分析した結果をご覧ください。ここでは helpcrunch.com のウェブサイトをテスト対象としています。
私たちの古い計算式で算出したオーガニック・トラフィックの予測値は3.2K (3,200) でした。
私たちのアルゴリズムでより正確な検索ボリュームとCTRを加味するようになってから、オーガニックトラフィックの値は2.5K (2,500) に変わりました。
この推定値と GSC のデータを比較すると、完全に一致することがわかります。
GSCのデータから乖離する可能性もあるため、すべてのケースで100％の一致をお約束することは（まだ）できませんが、 helpcrunch.com の結果は完全な整合を示しました。以前は、GSCデータからの差異は81.8％ありましたが、新しいアルゴリズムでは23.7％減らして58.1％にすることができました。
下のグラフは、乖離がどのように変化したかを示しています。縦軸はGSCデータとの乖離率（0～30％、30～60％、60～90％など）です。横軸は分析対象ウェブサイトを示しています。ご覧のように、我々のデータがGSCと100％以上異なるケースは大幅に減少しました。ほとんどの場合、我々のトラフィック予測はGSCに近づいてきており、最初の3本の棒グラフの中央値は58.1％で、2つ目のグラフの赤い線で示されています。
58.1％という乖離率は大きく見えるかもしれませんが、市場の分野とウェブサイトの種類によります。場合によっては、チャートの一つ目の棒グラフにあるように、乖離率が0～30%になることもあります。
さらに、アプローチの違いを考慮することも重要です。例えば、SEMrushはGSCから68.36%乖離しているのに対し、Ahrefsの中央値は49.52%のようです。しかし、Ahrefsは1,635サイトのサンプルで実験したのに対し、SE Rankingは7,675サイトというはるかに大きなサンプルのデータから分析を行っています。
この広範なデータセットにより、平均乖離値をより正確に算出することができ、オーガニック・トラフィック・アルゴリズムの精度をより総合的に評価することができます。
競合調査ツールの指標がより正確に
より精度の高い検索ボリューム値に加え、被リンク、参照ドメイン、Domain と Page Trust、キーワード難易度スコアについて、より正確なデータを取得できるようになりました。これはすべて、以下の 被リンクデータベースに加えた機能強化によるものです:
- 被リンクステータスの更新頻度を上げ、過去90日以内に48%多くの被リンクのステータスを確認しています。
- 新しいウェブサイトの被リンクと参照ドメインを特定するスピードが向上しました。Ahrefsと比較すると、6ヶ月未満のウェブサイトに対して、9%多くの被リンクと11%多くの参照ドメインを検出しています。
- 全体として、被リンクは以前より5%増加し、参照ドメインは17%増加しました。
このような強力な被リンクインテリジェンスにより、Domain TrustスコアやPage Trustスコア、キーワード難易度をより高い精度で算出することができます。これらの指標はウェブサイトの権威性とSERPの競争力に関連しているため、あなたのサイトやページが検索結果の上位にランクインする可能性をより正確に評価することができます。
P.S.
SE Rankingでは、ツールをアップグレードし、市場で最高のSEOインサイトを提供することに関して、限界はないと信じています。
私たちは今後もデータベースを拡張し、新しいテクノロジーを組み込み、SEO分析の限界に挑戦していきますので、ご期待ください。 例えば、GoogleのAIを搭載した検索体験に備えるため、SGEの新しい計測機能を近々リリースする予定です。また、AIベースのコンテンツマーケティングツールをアップグレードし、ワンクリックで記事を作成できるようになります。
エキサイティングなアップデートが待っています。ご期待ください！
