上位表示の為にチェックすべき5つのドメイン要素

著者:
野澤 洋介
5月 02, 2019
30 分 要

VeriSignによると、2017年の第一四半期時点で3億3千6十万件以上の登録ドメインがあるそうです。これらのドメインのうち、今このページをご覧になられているあなたが、ぱっと思い浮かぶドメインは100件ぐらいでしょうか。この記事では、検索順位に影響する可能性のある、また利用者にその名前を憶えてもらいやすいドメインの特徴について検討していきます。

1. ドメインエイジ(年齢)

読み進める前に、まずこのネット上の発言をご覧ください。引用する価値のある情報だと思います。 以前の話しとなりますが、Googleのウェブスパムチームのかつての責任者であるMatt Cutts氏は、「6ヵ月と1年のドメインを比較した場合、大きな差はほとんど無いだろう」と発言していました。
そして、その後2017年にJohn Mueller氏は、ドメインエイジは検索結果の順位には影響しないと発言しています。

解説:

  • ドメインエイジはそのドメインが持っていたコンテンツの背景や獲得している被リンクがある場合には重要です。更に、ドメインエイジが古い程(新規のドメインと比較した場合)、より多くの被リンクとインデックスページを持つ為、順位に影響する可能性があります。
  • ドメインを購入する場合、新規のドメインはリスクと初期費用を最低限に抑える事ができますが、上位表示を狙う為にはより多くの努力と時間が必要となります。ドメイン購入の前に、そのドメイン・ウェブサイトに関する重要な情報を調べた方が良いでしょう。FirstSiteGuide Lookup Toolを活用して調査する事ができます。

  • 最近の調査によると、検索結果上位10位のドメインエイジの平均は2年以上となっています。更に、検索結果1位のドメインエイジに関しては3年以上となっています。

重要ポイント:  

私達SE Rankingの意見としては、GoogleのJohn Mueller氏の「ドメインエイジは順位における本質的な要素では無い」という発言に傾きつつあります。ドメインエイジは、検索エンジン上でまだいくらか重要な役割があるでしょうが、あくまでそれらは相対的な指標です。あなたの製品の品質が高く、ネット上で有名であれば、検索エンジンはあなたの製品を評価し、ドメインエイジに関係なくキーワード順位で上位表示される事になるでしょう。

2. ドメインゾーンとレベル

最新の統計によると、全ドメインネームのうち38.8パーセントは.comを使用しているようです。その為、このゾーン上では多くのドメイン名が既に取得、占有されています。.comであなたのドメインを登録できない場合は、.jp、.net、 .org、 .co、 .biz (.bizはビジネス、.netはネットワーク構造、.orgは非営利組織。あなたの活動や目的を基準に)か、新しいトップレベルドメインを検討しましょう。

ドメインシステムの概要:

  • トップレベルドメインは、良く知られている.com、.org、.net、.eduなどや、.us、.au、.ukのような国別コード名がある。
  • セカンドレベルドメイン名はドットとドメイン拡張子のすぐ左側に位置するドメイン名の一部です。(例えばbestools.uk)
  • サードレベルドメイン名はセカンドレベルドメイン内の要素を意味します。(例えばowa.besttools.uk)

全ドメイン拡張子のリスト

解説:

  • あなたのサイトが汎用トップレベルドメインに登録されている場合(例えば.com や .org) 、そして特定の地域を対象としている場合は、検索結果での対象エリアをGoogleに伝える事ができます。インターナショナル ターゲティング レポート ページで対象の国を入力します。あなたのサイトを特定の国や地域に関連付けたくない場合は、「国」タブ内で「指定なし」を選択します。
  • 2015年、Googleは自身のドメインレジストラとしてGoogle Domains を発表しています。現時点ではこのサービスはブラジル、カナダ、インド、アメリカ、日本、イギリスで利用できます(請求先住所はその場所での登録が必須)。 このサービスで新しいトップレベルドメインに登録する事ができます。例えば、.boutique、.catering、.coach、.florist、.ninja、.consulting、.coffee、.jewelry、.photography、.systemsなどがあります。あなたの専門分野を決める事で、このようなドメインを使ってあなたのビジネスをネット上で目立たせる事ができます。フレーズの一部としてこのようなドメイン名を使用する事で、人々にメッセージを伝える事もできます。例えば、danis.cool、annlikes.to、iknow.how、lets.talkなどがあります。

重要ポイント:

グローバルな市場参入を狙っている場合は、あなたの専門分野(.com、.net、.org、.biz)を考慮してトップレベルドメインを登録してください。また、サイトのプロモーションを特定の国で成功させる為には、その国の国別ドメインを登録することをお勧めします(もちろん必須というわけではありませんが)。検索エンジンは最も関連性の高い結果を表示する為、「fr」のページはフランスのユーザーに表示され、「uk」のページはイギリスで表示されます。複数バージョンある場合は、適切な言語バージョンを指定できるサイトを提供するようにしましょう。

3. 完全一致ドメイン (EMDs) と部分一致ドメイン (PMDs)

検索クエリと正確に一致するドメイン名を完全一致ドメインと呼びます。例えば、“best seo tool”というキーワードで順位を狙った場合には、EMDはbestseotool.comとなるでしょう。一方で部分一致ドメイン名(PMD)は、ブランド名とターゲットキーワードの一つを含みます。“Chicago pizza”というキーワードで順位を狙った場合には、 “pizza” または “Chicago” のどちらかを含むものとなり、これを部分一致ドメインと呼びます。例えば、“andrewpizza.com” や “chicagofood.com”などがあります。 この場合のSEOにおける利点は何でしょうか?より深く掘り下げていきましょう。

長所:

  • ユーザーは、ドメイン名からサイト上でどのような情報が掲載されているか理解しやすい。
  • 外部サイトからのアンカーテキスト効果が期待できる。
  • Google広告のCTRに影響する(高くなる場合も)。

短所:

  • EMDドメインはスパムに分類される可能性がある。
  • 取得や購入が難しい場合もある。
  • Google広告のCTRに影響する(低くなる場合も)。

解説:

  • 2012年10月、単純に検索クエリを含めただけの低品質ドメインがGoogleの検索結果で上位表示されないようにする為、新しいEMDフィルターを導入しています。
  • .comドメインは、Google EMDフィルタの対象になる可能性が低くなります。他のドメインと比べて.comは検索エンジンに信用されているようです。
  • あなたのサイトのコンテンツが高品質な場合は、GoogleはEMDという理由だけでフィルターを適用する事はありません。

重要ポイント:

目標によって手法が異なるでしょう。ブランドを発展させていく場合は、キーワードを含める事を第一に考えずに、ブランド名自身と心理的な効果について考えます。金銭的な結果を早く求める場合や、プロジェクトの目標が収入を得る事だけであればドメイン名にキーワードを使用する事ができます。

4. ドメイン履歴

ドメイン履歴を調査する事で、そのドメインの過去様々な時点でのコンテンツの状況を把握する事ができます。調査は誰にとって必要なのでしょうか?第一に、そのドメインが持つ歴史や信用、認知を購入すると決めた人々にとって必要だと考えられます。第二に、新しいブランドとして活用する場合にも調査は必要です。例えば、以前にこのドメイン名が他の人々によって所有されていた可能性がある場合などです(以前のコンテンツは新しいドメインの命運を左右するかもしれません)。

どのように調査したら良いでしょうか?

  1. http://archive.org/web/web.php  へアクセスします。何度もアーカイブされている3050億以上ものウェブページから調べる事ができます。
  2. ドメイン名を入力します。例えばforbes.comを入力して、特定の時点でどのように見えていたかを確認できます。

前回のホスティングとその所有者も確認することをお勧めします。Googleは、ホスティングに矛盾があることを検知すると、サイトの履歴を「リセット」し、さらにそのバックリンクを削除することもできます。同じ事が所有者にも適用されます。所有者がその所有者名で登録したスパムサイトを持っている場合、検索エンジンはその所有者に関する情報全てを慎重に調べるでしょう。

重要ポイント:

出来る限り様々な時点におけるドメインの履歴をチェックしておきましょう。品質低下やインデックスの削除、他のサイトへのリダイレクト、主題の変更などが過去にあった場合は、購入を思いとどまるのに十分な理由となるでしょう。

5. 名前

ドメインのネーミングに関するヒントをまとめました:

  • ドメイン名はあなたのビジネスに関連するもので、容易に覚えられるものが良いでしょう。Microsoftの研究によると、人々は知らない言葉を含むリンクよりも、知っている言葉を含むリンクをクリックする傾向があるようです。
  • ドメイン名に著作権のある言葉やフレーズを使わない。ドメインを登録する前に、無料のサービス http://www.copyright.gov/records  や http://www.uspto.gov/trademarks でチェックしましょう。
  • オンライン上で利用可能なドメイン名ジェネレーターを活用しましょう。キーワードを含めたり、接頭辞/接尾辞を追加したりなどの要素と、利用可能なドメインを一括でチェックできます。3 – 5ドメインをリストアップした後で同僚や友人にどのドメインが良いか意見を聞いてみましょう。
  • ドメイン内のハイフンは避けましょう。なぜならこれは通常、元の名前がす​​でに使用されている為に行う代替手段だからです。この場合は複数のハイフンでキーワードを含めたそのドメイン名(例えばemail-marketing-services.com)の取得はあきらめましょう。
  • 上位の100,000 件のドメイン名は9文字以内です。15文字までは許容範囲かもしれませんが、短く、直感的な名前程覚えやすいです。

オールドドメインの購入や、新しいドメインを登録する場合は、条件の整ったリソースで順位を向上を狙う為に、私達がおすすめするドメインエイジ、オーソリティ、ゾーン、履歴、名前に沿って検討を進めましょう。それ以外にも、品質の高いコンテンツ作成や、良質な被リンク履歴、トラフィックの成長にも注目しましょう。検索エンジンは確実にそれらも評価してくれます。GoogleのJohn Muller氏のアドバイスに沿って、人々を魅了する事、人々にとって便利である事に注力しましょう。Googleが使用している最も重要なランキングファクターは「素晴らしさ」です。

#SEOCOOKIES

  1. 1985年3月15日に最初のドメインが登録されました。それは、symbolics.com で、今でも存在します。
  2. .comゾーンの最後3文字のドメイン名は、1997年に既に登録されていました。現在、このようなリソースは多額の費用がかかり、直接人の手によって販売されています。
  3. かつて高額に販売されたドメイン: LasVegas.com ($90,000,000)、CarInsurance.com ($49,700,000)、Insurance.com ($35,600,000)、VacationRentails.com ($35,000,000)。
  4. .tv ドメインはツバルという国別ドメインです。このゾーンのドメインの販売は、毎年相当な金額で、国庫を潤しています。
  5. .cc ドメインはココス諸島(オーストラリア)のトップレベルドメインです。
  6. .comのドメイン名で使用されている人気の単語 は home (120万)、online (100万)、land (89.1万)です。
  7. Facebookは、2010年にThe American Farm Bureauからfb.comドメインを購入し、850万ドルを支払いました。


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